巨人が今季6人目、チーム全体で13人目となる新外国人と支配下選手契約を結んだ。ガブリエル・ガルシアという27歳のベネズエラ人投手である。マイルズ・マイコラス、アーロン・ポレダら昨季先発の柱だった外国人が故障や不調で長らくリタイア中で、ローテーションの穴埋めとして獲得したもの。
年俸900万円の1年契約
もっとも、年俸900万円の1年契約という条件からして、すぐに一軍で大暴れしてくれそうな助っ人でないことは明らか。初のマウンドに上がった11日の阪神との二軍交流戦でも、3回で5安打2失点と期待外れの結果に終わっている。あわよくばローテの谷間に当たる17、18日のロッテ戦に先発をと高橋由伸監督は考えていたそうだが、この程度の外国人に任せられるのか、甚だ心許ない。
しかし、当のガブリエルは至って前向き。「阪神戦は10日ぶりの実戦だったからだ。次はもっといいピッチングをして見せる」と、おれの実力はこんなもんじゃないぞと言わんばかりだ。そんなセリフの裏には、何としても巨人の一軍投手陣に定着し、マイコラス(年俸2億4000万円)やポレダ(同1億6000万円)のようなビッグマネーをつかみたい、というハングリー精神が感じられる。
このガブリエルはつい先月まで日本の独立リーグ、四国アイランドリーグplus(四国IL)の徳島インディゴソックスでプレーしていた。真っ直ぐの球速は平均140㎞台半ばながらも、低めに集められる制球力に優れ、スライダーやチェンジアップなどにもキレがあり、9試合で7勝1敗、防御率1・31とリーグ最高の成績を残している。そこで先発不足に悩む巨人がスカウトしたわけだ。
最近のプロ野球では、アメリカのメジャーやマイナー、韓国や台湾のプロ野球だけではなく、このように日本の独立リーグからNPB球団に移籍するケースが目立つ。昨年はシーズン途中に四国IL香川オリーブガイナーズからドリュー・ネイラーが中日に入団、4勝3敗、防御率3・81を挙げ、年俸を1250万円から3000万円にアップさせた。ヤクルトにも、北陸や北関東のBCリーグ球団、新潟アルビレックスからミッチ・デニングという外野手が加入している。フランシスコ・カラバイヨのように、2010年にBCの群馬レッドペガサスに入団、11年オリックス移籍、13年群馬復帰、15年はまたオリックスに移籍と、数年おきにBCとNPBを行ったり来たりしている〝渡り鳥外国人〟までいるほどだ。