2024年7月19日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2019年5月7日

中国にとって一番割の良い話

 4月9日と12日の両首脳会談の間の4月10日、李克強首脳はクロアチアの首都ザグレブにも立ち寄り、プレンコビッチ首相の歓迎を受けた。両首脳は、「一帯一路」構想や貿易と投資の拡大について話し合った。

 李首相は輸入拡大のため「中国市場のニーズにかなったクロアチア製品」を求め、また、クロアチアの港湾や鉄道等の建設に協力するとした。

 文化や観光面での人的交流についても話されたようだが、おそらく中国からクロアチアへの観光客の拡大が主だろう。両首脳は、クロアチアのペルジェサク大橋建設プロジェクトを視察したが、これはEUが資金を出したもので、中国企業が入札して建設に携わっている。

 「EUとクロアチア、中国の3者協力」と言われるが、中国にとって一番割の良いような話である。

 李首相が約1週間の欧州訪問を終えて間もなく、中国にとって1つの朗報が入った。

 4月15日、ベルギーのサイバー・セキュリティー当局が、現在米国が問題視している中国の通信機器大手ファーウェイについて、スパイ活動をしているというような明らかな証拠は見つからなかった、との報告を発表した。

 既にベルギーでは、大手の携帯通信会社がファーウェイの機器を使用している。この報告は、一見何でもないようなことのようだが、気が付けば、ブリュッセルには、EU本部の他、NATO本部が存在する。モナコ、ギリシャ、クロアチアと1つ1つ触手を伸ばしてきた中国、ベルギーは実は重要な拠点だったのかもしれない。

  
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