Wedge REPORT

2019年5月28日

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まず、学生が入社の意志を伝える

 面接の前後に、脳特性の検査をする。外部のコンサルティング会社が開発したもので、独自の試験(約30分)を受けることで、その人を4つの思考特性「コンセプト型」「構造型」「社交型」「分析型」と、3つの行動特性「柔軟性」「自己表現性」「自己主張性」で表す。採用試験で使う前に、社員たちが受験した。結果を見ると、脳の特性と社員たちの日常の言動や仕事への姿勢は重なるものが多く、信用できると判断した。

 最終的に、社長や副社長、総務マネージャーなどで見学や面接、小論文、脳特性などの結果をもとに総合的に判断し、内定者を決める。

 ただし、この時点では「内定」とは個々に伝えない。まず、学生の意志を確認する。マッチングを重視し、「自分で会社を選んで、自分で決めて、入社する」ことを大切にしているからだ。学生が入社を希望する場合は、約1週間以内に総務宛てにその旨を伝える。2018年は4人全員が当初希望したが、うち1人は他社へ入社するために辞退した。

 学生の意志を確認したうえで、今度は会社が内定を伝える。18年は全員を内定としたが、今後は学生が入社の意志を伝えても、会社が不採用とする場合はありうる。山田氏は「あくまで、双方のマッチングや、学生の意志を尊重したい」と語る。

 2020年4月入社予定の新卒採用活動は、2人とも手ごたえがあるという。平岡氏は「経験が蓄積され、大学や地元とのコネクションや関係づくりが効果を発揮している」と自信を見せる。中小企業は業種を問わず、定着率は概して低い。その中で、定着率100%の多摩冶金の採用活動からは学ぶものがあるのではないだろうか。

多摩冶金の新卒採用活動のポイント

  1. 多摩地区でのネットワークづくりに力を入れる
  2. 大学は、「中堅校」を集中的に訪問する
  3. 2回の面接や筆記では、マッチングを最重要視。
  4. 小論文や面接では、学生の「過去、現在、未来」を把握
  5. 会社見学やランチなどを通じて、社員との相性も確認
  6. 脳特性などの試験で、さらに確認
  7. まずは、学生が会社に入社希望の意志を伝え、その後、会社が内定か否かを通知

  
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