それに感情移入し過ぎてしまうと大事なシーンを見過ごしてしまうこともありますので、いつも冷静に次の展開を考えておかなければなりません。とは言っても熱狂してしまうんですけどね。
それにあまりにも集中し過ぎてしまうと瞬きをしなくなるので、目が乾いてコンタクトが取れてしまうことがあるんです。これが一番怖いことなのですが、大事なシーンでコンタクトが取れてしまったら、何も見えなくなってしまいます。
――3000枚撮って納得できるのが3枚というのも驚きですが、瞬きしないでコンタクトが取れてしまうほど集中するというのもカメラマンならではの悩みかもしれませんね。
松本:これが私の中では一番の問題になっています。
2019年W杯の見どころ
――まずは今回の日本大会について、どんな点に注目していますか?
松本:いままでの開催国はすべてラグビー文化が成熟している国々でした。それが日本ではもちろん、アジアでも初めて開催されるわけですから、試合会場の雰囲気や開催地域も含めてどんな大会になるのか楽しみです。
今回会場となっているところには花園(大阪)や釜石(岩手)のようなラグビー熱が高いラグビータウンもありますが、それまであまりラグビーに馴染のない会場や地域、例えば札幌ドームで試合が行われるとどう変わるのかなど、そういった点にも興味があります。
熊本や大分、博多、神戸など海外のファンも楽しめる地域が開催会場になっていますのでぜひ、開催地の魅力も合わせて楽しんでほしいと願っています。
――各プールの注目チームについてお聞きします。
松本:まずは大混戦のプールAです。日本が決勝トーナメントに進出するためには開幕戦のロシアには必ず勝たねばならず、2戦目のアイルランドにはしっかり健闘して、3戦目のサモアにも必勝。そして4戦目のスコットランドが、たぶんですが日本との2位争いになる相手だと予想されます。
アイルランドと並んでかなり強い相手ですが、お互いに後のない状況での試合になりますから普段通りの試合にはならないでしょう。
前回もスコットランドに敗れて決勝トーナメント進出を逃していますので、ここにしっかり勝ってワールドカップ初の決勝トーナメント進出を図って日本ラグビーの歴史を変えてほしいと願っています。
次にプールBですが、ここは世界ランク1位のニュージーランドとおそらく南アフリカが決勝トーナメントに勝ち上がってくるでしょう。
続いてプールC。ここはプールA同様に激戦になることが予想されます。日本代表の前HCエディー・ジョーンズさん率いるイングランドに勝ってほしいですが、アルゼンチンとフランスが何かを起こしそうな気がして面白い展開になりそうです。
そしてプールD。ここはオーストラリアとウェールズが勝ち上がってくると予想されますが、フィジーは手足が長く、身体能力も高いので面白いラグビーを見せてくれるはずですから見逃せません。
いま挙げた以外にも魅力溢れる国々が集まっていますのでどの試合を見ても楽しめるはずです。