――決勝トーナメント進出が日本代表の目標とされていますが、日本代表の中で注目選手を教えてください。
松本:日本代表キャプテンのリーチ・マイケル選手です。素晴らしい人柄でラグビー選手としてのみならず人間的にも尊敬していますし大好きです。
表情も穏やかで深いラグビーへの愛に溢れています。リーチがいる、ただそれだけで日本代表を応援していると言ってもいいくらいです。もちろん日本代表には他にも素晴らしい選手が大勢いますが、リーチは突出したリーダーシップを持った特別な存在だと思っています。
もう一人あげるとすれば福岡堅樹選手です。普通のウイングとはあきらかに動き、スピードが違います。グラウンドを広く大きく動いてくれますから私にすれば撮れる時間が長いからありがたい存在です。
学生時代から凄い選手でしたが、自分に足りないものを自己分析して着実に成長しているのではないでしょうか。まさにワールドクラスの選手です。
日本代表に戻ってきた立川理道選手も存在感バツグンの選手なので、きっと魅せてくれると期待しています。
――今までラグビーの試合を観たことがない方たちへのメッセージはありますか?
松本:チケットの入手は大変ですが、試合会場近くにファンゾーンというものができるはずです。たとえばイングランドでは公園とか広い芝の上に大型ビジョンが設置されて、そこでみんなビールを飲みながら寝転んだりしながら試合を観ているんです。
日本でもそういった楽しいエリアができるとしたら、ちょっと見てみたいなと思う方はそういった場所で見るのも楽しいですよ。
きっと海外からのファンの人たちもそこで見ているはずですから、触れ合い、みんなでラグビーの雰囲気を味わってほしいと思います。食べ物やビールを売っているお店もいっぱいあって、初めて見るという方にはファンゾーンが楽しくて絶対におすすめです。
ラグビーのことはよくわからなくても、楽しむ気持ちと応援する気持ちさえあれば盛り上がれます。
また、よくラグビーにはいろいろな体形の選手がいると言われますが、体の大きい・小さいはあっても、どの選手の身体もパンパンに鍛えられていますので、その体も見てほしいと思います。
首と肩が繋がってみんな富士山みたいな形になっているんです。スキニージーンズが履きたいのに足が太すぎて履けないって選手たちは言っています。
テレビでもいいですし、ファンゾーンでもいいので、鍛えられた選手たちの試合を見て下さい。それでラグビーが好きになったら2020年の東京オリンピックの7人制ラグビーも面白くなるはずです。
鍛えられた選手たちが迫力ある試合を見せてくれて、それに感動している日本人ファンや、みんなで盛り上がっているシーンを撮りたいと思っています。それが日本のラグビーのスタートになると思っています。
――最後に日本代表への期待をどうぞ!
松本:怪我無く大会に臨んでくれることと、何がなんでも決勝トーナメントに勝ち進んでほしいことです。
ラグビーは激しい競技ですから絶対に怪我がないなんてことはありませんが、選手が怪我をするたびに悲しくなります。
選手たちに怪我のないことを願っています。
――今回はフォトグラファーとして活躍する松本かおりさんにお話しを伺いました。お忙しい中なかお時間をいただきありがとうございました。
1987 年広島生まれ、東京育ち。2006 年都立駒場高校卒、2010 年専修大学文学部卒。
大学1年時、入部したスポーツ新聞部でラグビー部担当に。撮影、交流をする中でラグビーに魅かれ、2010年よりベースボール・マガジン社『ラグビーマガジン』編集部の編集補助を経てフリーランスのカメラマンとして活動中。
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