2022年8月9日(火)

WEDGE REPORT

2019年6月18日

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樫山幸夫 (かしやま・ゆきお)

元産經新聞論説委員長

元産經新聞論説委員長。政治部で中曽根首相番、竹下幹事長番、霞クラブ(外務省)詰め、ワシントン特派員、同支局長、外信部次長、編集局次長、正論調査室長兼論説委員、産経新聞社監査役を歴任。2度のワシントン勤務時代は、ホワイトハウス、国務省などを担当、米国の内政、外交など幅広く取材した。

意義ある首相の外交努力

 しかし、〝はしごをはずされた〟とはいえ、安倍首相の仲介外交が無駄だったかといえば、決してそうとはいえないだろう。

 日本の首相が世界注視の中、こうした働きかけを行ったこと自体に大きな意義があった。イラン核合意に関与した「P5プラス1」(国連安全保障理事会常任理事国にドイツを加えた6カ国グループ)のどの国も行えず、ひとり安倍首相の手にゆだねられた。

 それを考えれば、どういう評価を受けようと、首相には今後も仲介を継続するよう期待したい。それをするにしても相当な困難が伴うだろう。そもそも、米、イランの40年にわたる激しい対立を考えれば、両国の和解が一夜にして成るとは到底考えられない。

 ただ、その一方で、ハメネイ師、トランプ大統領の言動は、いずれも国内の強硬派向けという観測もなされている。両国が振り上げたこぶしをおろすタイミングを探っているとしたら、また首相の出番がやってくるのは間違いない。

 首相がイランから帰国した6月14日づけ産経新聞「主張」(社説に相当)は、「成果焦らず関与を続けよ」という見出しで、「両国と良好な関係を保つ日本が『歯止め』として……両国による対話の機会をじっくり探るべきだ」と論じた。まさに正鵠を得ているが、首相はこれを読んだだろうか。

  
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