2024年11月22日(金)

【中学受験】成功を導く父親の役割

2019年9月30日

賢いお父さんは「ピエロ」を演じられる

 中学受験の勉強を親が教えることが悪いと言いたいのではありません。ただ、こうした算数の魅力をわからずに、自分が便利と思う解法を一方的に教えてしまうのはやめましょう。もし、お子さんの勉強を見るのであれば、教え込むのではなく、一緒に考えてみるというスタンスがいいと思います。

 家庭教師でご家庭を訪問すると、最近はお父さんも一緒に授業を受けることがあります。受験算数を経験したことがないお父さんが、受験算数を知ると、「なるほど~、こうやって解くのですね! 算数っておもしろいですね!」と、とても感動します。すると、今度は子どもを差し置いて、「あっ! わかった!」とお父さんがのめり込んでしまうこともあります。お父さんが勉強を楽しむ姿を見せるのはよいことですが、あまりそれが続くと、デキルお父さんの自慢にしかならず、子どもはしらけてしまい、こちらも「一体、誰のための授業なのか・・・・・・」と思わされてしまいます。

 自分の知っているやり方で教え込むお父さんはダメ。子どもよりのめり込んで、デキル自分を自慢するお父さんもダメ。「だったら、どうすればいいのだ?」となりますが、一番理想的なお父さんは、ピエロを演じられるお父さんだと思います。

 たとえ解き方がわかっていても、「へぇ~、こんな難しい問題をやっているんだ~。たいしたもんだなぁ〜」と子どもをほめたり、「へぇ~、こんな解き方があるんだ~! 算数っておもしろいなぁ~」と感動してみせたりする。こうしたお父さんを演じられると、「へへっ、お父さんにほめられちゃった!」と子どもは嬉しい気持ちになり、「よーし、もっと難しい問題を解いて、お父さんを驚かせるぞ~!」と張り切るようになります。いつもそばにいないお父さんだからこそ、響く言葉をどんどん渡してあげましょう。中学受験におけるお父さんの大事な役割は、子どもが気持ちよく勉強できるようにしてあげることです。

(構成・石渡真由美)


  
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