2024年12月6日(金)

家電口論

2019年10月8日

品質のブランド化を

 何年も加湿器、石油ファンヒーターでNo.1シェアのダイニチ工業ですが、まだまだ知名度がないのが現状です。社長はここを死守する考えですが、それには、どうすればイイでしょうか?

 私は「ブランド化」だと思います。「ダイニチ工業品質」のブランド化です。現在は、店頭で何となくモノがよさそうと言うのを、「大間のマグロ」ではありませんが、「ダイニチ工業と言えば高品質」のようにブランド化してしまうのです。

 このためには、商品にももう少し工夫が必要です。さり気なくではなく、品質を目立たせるデザインを取り入れるのです。例えば、継ぎ目などは、万が一を考えて、目立たないところへ回すのが通常ですが、ダイニチ工業の精度なら、真正面に配置しても分からないでしょう。そうやって高品質を徹底的にアピールすることもできます。

 いろいろやって、品質を認識してもらったら、別のカテゴリーへ手を伸ばしても、問題ありません。ダイニチ工業なら、少なくとも「品質は確実」と認めてもらうことができますし、価格が他社より少々高くても買ってくれます。

 この8月に発表された、新型加湿器LXシリーズはかなり良いです。広い部屋用の加湿器なので、全ての人にとは言えませんが、お勧めできます。お勧めポイントは、水が入るトレイにトレイカバーが付いていることです。

 加湿器は水タンクからトレイに水を入れ、そこで水蒸気化させます。気化に使うパーツを固定する必要があります。このためトレイは複雑な形状となり、洗いにくいのです。しかも、一回一回完全に乾かしてから使うのがよいのですが、冬は連続して使いたいモノ。そんな時、トレイカバーを交換すれば、イイわけです。

 加湿器の欠点は、清掃しないとカビが生えてしまうことです。それをなるべく対応してと言うわけです。ちなみにトレイカバーの交換頻度は、1シーズン1回。替えカバーは、3枚で1500円と言いますので、かなりリーズナブルです。

 品質というベースがしっかりしていると、この様な小技設計がとても魅力的に見えます。高品質は一日でならない上に、良貨と同じで失われやすいものです。また、大手家電メーカーは、スタンダードモデルのほとんどは海外生産。グローバル品質です。少量のトップモデルのみ、日本で生産。高品質ですが、あまりにも少量生産なため、かなりの割高です。分からないでもないですが、昔から使ってメーカーを、応援してきたユーザーから見ると裏切られた想いがあるかも知れません。こうなると流動シェアが増える一方です。

 今なお、新潟の地で、高品質を守り続けるダイニチ工業は、よき時代の日本メーカーとしての誠意を見る思いがします。

  
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