2024年2月21日(水)

定年バックパッカー海外放浪記

2019年10月13日

女性差別と役人の汚職という壁

起業家女子ソフィーとガイドのニクソン

 ボランティアで同乗したソフィーの聡明でポジティブな人柄に惹かれた。彼女は大学で経営学を専攻した24歳。

 政府観光局と大手旅行代理店に就職希望を出したが女子学生は門前払いだったとのこと。タンザニア社会では他のアフリカ国家と同様に女性差別が激しいという。さらにお役所では汚職が蔓延(full of corruption)しており賄賂や縁故での就職がフツウであり、一般学生には門戸が閉ざされているという。

 ソフィーは就職を断念して自宅をゲストハウスに改装して、さらに自宅でネットを活用した旅行代理店を始めたという女子起業家(entrepreneur)だ。

 私はふと20年前に訪問した首都ダルエスサラームのタンザニア中央銀行の対外債務管理局の局長リズを思い出した。

アフリカで女性が独力で生きる覚悟とは

 リズは私と同い年で当時45歳。中央銀行の実質ナンバー3の高官。リズの尽力で交渉は望外の成功を収めたが、3週間近い滞在中に問わず語りで聞いた彼女の経歴が忘れられない。

 リズは15歳で父親の決めた隣村の有力者の長男と結婚。父親は村の酋長であり、結婚相手の家に牛、ヤギ、羊を何十頭も贈った。直ぐに長女が生まれたが、旦那は博打好きの大酒飲みの怠け者。

 婚家での生活に耐えかねて乳飲み子を抱えてリズは実家に逃げ帰った。しかし当時の村社会では勝手に嫁ぎ先から戻った女に居場所はなかったという。隣村の有力者一家への気兼ねもあり、困った父親は秘かにリズを英国に送ることにした。

 こうしてリズは長女を母親に預けて単身ロンドンの寄宿学校へ。元来勉強好きであったリズは大学では経済学を専攻して博士号を取得。タンザニアに戻り、中央銀行でキャリアを積みながら長女を育ててきた。

 私がソフィーにリズの半生を語るとソフィーは大いに触発されたようであった。


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