2024年11月25日(月)

古希バックパッカー海外放浪記

2019年10月13日

アフリカからの無念の撤退

 サファリツアーから戻り再びモシの町のゲストハウスに投宿。アイスランド出身のアリスと同部屋となった。アリスは小柄で栗色のショートカットの似合う26歳。

 アイスランド人のアリスは東アフリカの気候と自然に惹かれてタンザニアに移住。友人とゲストハウスを3年近く経営してきたという。中古のランドクルーザー2台の購入とゲストハウスの改修費用として彼女自身は累計2万ドル以上を投資。

 ところが政府の規制や同業者の横槍で経営続行が困難となり、全て売却して撤退することに決めたという。政府の関連規則は曖昧であり頻繁に変わり、さらに役人のさじ加減でシロがクロになる。

 「観光客としてアフリカを訪れる外国人は表面だけを見てアフリカを賛美するけど、現実のアフリカ社会は腐敗して外国人には未だに暗黒大陸(the Darkness Continent)だわ」と嘆いた。アリスに今後の予定を聞くと、「アイスランドに戻っても仕事がないので欧州のどこかで仕事を探すしかないわ」と肩を落とした。

現在も続く密猟者との戦い

 10月9日。キリマンジャロ国際空港でフライトを待っていた。同じワッペンを胸に付けた50人くらいの集団と一緒になった。セレンゲッティ国立公園で開催される全アフリカ動物保護会議に参加する専門家達だった。

 隣席のモザンビーク国立公園のレンジャーによると、前の週に象牙を狙った密猟者(poacher)との銃撃戦で1人が亡くなったという。

 動物保護区では殉職したレンジャーの慰霊碑を何度か見かけた。交通事故・自然災害による殉職が約半数で、残りは密猟者との戦いの犠牲者だった。

  
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