似た経験を持つのが、ASEC副社長の岡英雄氏だ。岡氏はNECトーキン所属時代にもLiB事業を担当。02年当時、「(売上の大半を占めていた)小型民生用LiBを止め、中大型に有効なラミネート型に転換するべき」という文言を中期経営計画に盛り込んだ。しかし、「事業の調子が良いときに自ら手を引くことは難しい」(岡氏)。
岡氏も自動車向けLiBの量産については、日本側がリードしているとみる。EV向けと携帯向けでは桁が違う生産量になるため、量産のハードルが高いからだ。ASECでは歩留まりを改善し、リーフ換算年9万台分のLiBを生産する体制を整えた。15年には日産の海外4拠点も使い、年50万台の量産体制に拡大する計画だ。
しかし韓国勢は、2社と同等程度のボリュームと、得意の低価格を掲げて、攻めてくる。日本勢としてやれることはないのだろうか。【これまでの日本勢のLiB開発の歴史や、日本全体としてこれから採るべき戦略についても考察した、WEDGE5月号特集「天下分け目の日韓『電池』戦争」をぜひご覧ください】
WEDGE5月号特集「天下分け目の日韓『電池』戦争 世界を照らすのはどっちだ」
◎日産「リーフ」ゴーンの慧眼
◎サムスン、LGに学べ
◎大同団結と新市場創出
※編集部注 WEDGE5月号特集P26、サムスンSDI常務・佐藤登氏のコメント内で誤りがありました。(誤)「原理的には自動車にはEVのほうが有望だった」→(正)「LiBのほうが有望だった」 深くお詫びの上、訂正させていただきます。WEBの本稿には修正済みのものを掲載しています。
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