2024年5月18日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年5月22日

 米国ではイスラエル・ロビーは強力な圧力団体になっており、それとキリスト教原理主義勢力とが結託して、米国の世論形成に大きな影響を与えています。また、イスラエルに批判的なことを言えば、カーター元大統領のような人に対してすら大変な非難、攻撃が集中します。ことイスラエルに関しては、米国には言論の自由など無いかのようです。こうした状況はもちろん好ましいことではなく、ピラーが勇気をもってそのことを率直に指摘したのは立派です。

 また、ピラーが紹介しているイスラエル国内で行なわれている議論の内容自体、注目に値します。P5+1とイランの交渉が現在進行中であり、イスラエルによる対イラン攻撃が近く行われることはないでしょう。そして、対イラン交渉が今後どうなるのはまだよく判りませんが、イラン側が、核兵器開発はしない、さらに、攻撃困難な地下深くの濃縮施設の建設は止めると約束し、その代わりに、P5+1側がイランによる低濃縮ウランの製造を認め、制裁を緩和する、という取引が成立する可能性はあります。


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