2024年4月18日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年6月7日

 最近では、台湾のメディアが薄煕来事件や陳光誠事件を詳細に報道したので、中国の最高指導レベルにおける権力闘争、権力乱用、腐敗・汚職の蔓延や、社会の底辺における人権弾圧の実態が台湾の人々の間で広く知られるようになり、そのことは、彼らに一党独裁下の異質の中国を改めて強く意識させる効果があったと言えるでしょう。

 また、米国の「アジア回帰」がアジア太平洋にもたらしつつある変化についても、台湾で大きく報道されるようになっています。今後は、民進党の動きなど、台湾内の動向に加えて、こうした中国や米国の動きが、台湾の人々に種々の影響を及ぼすことになるでしょう。そして、ゴールドスタインが言うように、今後の中台関係は、安定の中にも、常に対立のリスクが内包される、と見るのが妥当でしょう。

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