2022年12月9日(金)

オトナの教養 週末の一冊

2020年7月18日

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帰国子女に負けない英語ディベートの力

――英語ディベートは帰国子女の参加も多く、ネイティブスピーカーに近い生徒を核にしたチームが良い成績を収めてきたというのは、本書を読むまで知りませんでした。そういう中でも、ふつうの高校生のチームで国内大会で優勝し、世界大会でも勝利をあげてきたのですね。

 昨年12月は即興型の英語ディベート大会で、男子3人のチームが準優勝しました。国内の超有名進学校が集う大会です。難しい社会問題について論ぜよと言われ、15分で準備をして即興でディベートに臨むので、難易度が高いです。ほかのチームは帰国子女も少なくありませんでしたし、学力的にも全国トップクラス。対して、わが校のチームは、高校に入ってから英語ディベートを始めた生徒だけでした。

 学校教育――この場合は部活動――で鍛えれば、帰国子女といったネイティブに近い生徒のアドバンテージを超えるだけの力をつけることができる。この準優勝の経験で、さらに自信を深めることができました。

2017年にチェコ・プラハで

――市立浦和高校は進学校の多い埼玉県にあって、ものすごく有名……というわけではありませんね。

 さいたま市だけでも、県立浦和高校、浦和一女(浦和第一女子高等学校)、大宮高校といった超進学校がありますから。

――部活動だけでなく、英語の授業の最後の15分、あるいは20分を話す練習に充てているそうですね。

 はい。市立浦和高校では、すべての生徒に英語ディベートを授業で体験させています。15分、20分であっても、話す練習をしてきた生徒の方が、英語ディベートでよく議論ができていると他の教員からほめられました。

 英語ディベートの世界大会に出るようになって、インターアクト部の部員は増えました。今は43人います。昨年度は英検準1級23人、1級取得が2人で、準1級以上は基本的に取れるようになりますね。私は部活でも授業でも、世界のどこに行っても、英語で他国の高校生と会話や議論ができる生徒を育てたいと思っています。教員がどういうビジョンを持って指導をするかは大事ですね。

 英語ディベートというと、最初から長時間のスピーチをしようとして、やっぱりできないじゃないか、ディベートはダメだと諦める人もいるようです。最初は英語を聞いてメモを取るだけとか、30秒しゃべれたら拍手とか、本来そういうところから始めるものです。こういうふうにステップ・バイ・ステップで指導していったらいいと広められたら、もしかしたら日本の英語教育を変えることができるんじゃないか。そんな思いで本書を執筆しました。

【浜野清澄】
さいたま市立浦和高校教諭。埼玉県立桶川西高校、市立浦和高校で教員経験25年になる。市立浦和高インターアクト部でディベートを始めて14年目。全国高校生英語ディベート大会で3回優勝(2010年、2015年、2017年)、その翌年、それぞれスコットランド、タイ、チェコで開催された世界大会に駒を進めた。日本代表としてさまざまな世界・国際ディベート大会に9度参加。 (一社)全国高校生英語ディベート連盟(HEnDA)国際委員会委員。(一社)日本高校生パーラメンタリーディベート連盟(HPDU)理事。埼玉県高校英語教育研究会(高英研)副幹事長。千葉県・茨城県・群馬県・山梨県・静岡県英語ディベート研修会講師。2015年度 埼玉県グローバル賞受賞(インターアクト部)。2018年度、文部科学大臣優秀教員賞受賞。
著書に『Unicorn3』(文英堂教科書、共同執筆)、『Essential』『Mastery』(共に桐原書店、教員用指導書共同執筆および生徒用ワークシートの作成)、『Crown』(三省堂)、『Global Issues』( Oxford University)の生徒用ワークシート作成などがある。

  
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