Wedge REPORT

2020年7月20日

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守護神の精神的ダメージ

 同点こそ許したものの内容は悪くなかった山崎をそのまま対岡本のところでも続投させ「守護神と心中」という心意気をみせていれば、どういう結末になったにせよモヤモヤ感はなく納得のいく形になっていたのではあるまいか。大慌てになりながらブルペンで肩を作った末に一発を食らった国吉、そして指揮官から屈辱の途中降板を告げられた守護神の山崎が精神的に受けたダメージはさすがに少なくないと思われる。

 ラミレス監督は今季就任5年目。「ラミ流」や「ラミマジック」などとネーミングされた奇策をデータに基づきながら駆使し、采配や起用法に反映させ続けている。奇策ゆえにハマれば称賛され、外れれば酷評されるのが宿命だ。打線の中核を担うはずだった新助っ人タイラー・オースティン内野手が負傷で登録抹消となるなど、指揮官にはメンバー構成に腐心している裏事情も当然あるだろう。だがとにかく今季は歯車が噛み合わず、自慢の奇策がことごとく失敗するシーンが目立ってしまっている。

 ちなみに、やはりこの日、今季の正捕手として期待していた伊藤光が指揮官から「守っている時の防御率」を判断理由として二軍降格を命じられた。パッと聞けば、これもリスク覚悟のかなり大胆な策と言えるだろう。

 ラミレス監督には就任当初「独断で決断する傾向が強い」と言われ、これまでもチームスタッフと軋轢を生むことが少なくなかったとささやかれている。それでも近年はかなり他のコーチ陣の意見も取り入れるようになっていると聞く。

 壮絶な逆風が吹きつける流れの中、チームスタッフや選手との円滑な関係性を保ちながら、いかにして自慢のデータ采配もとい奇策を施行し続けていくのか。ラジカルな進化を遂げ〝就任5年目のV〟を狙っているラミレス監督のマネジメント能力と、今後の猛反撃にベイ党は期待しているはずである。

  
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