そして、2011年3月11日に起きた、東日本大震災と巨大津波、原発事故である。終戦直後の風景と震災後のそれは、現実ばかりではなく、心象風景もまた重なり合う。
堀北真希は、文藝春秋の聞き書きのなかで、次のように語っている。
「クランクインは、終戦直後の東京・蒲田の焼け野原を再現したオープンセットでした。……戦後のバラック街や闇市が再現されています。大量の瓦礫や、実際に木材や家具を燃やしただけでなく、廃材に墨汁を吹きつけて焦げたように演出しているんです」
「あまりにリアルなセットに立ったとき、真っ先に思い浮かべたのは、3・11のニュース映像でした」
「梅ちゃん先生」が、戦後の焼け跡から立ち上がる人々を描くとき、大震災後の人々にも勇気を与えているのだろう。(敬称略)
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