90年代後半から欧米はミャンマーに対する経済制裁を開始しており、進出に際してマツオカは大きなリスクをとった格好だ。ミャンマー工場の売上は中国工場の17分の1程度。まだ小さな規模だが、政治リスク、為替リスクなどに業績が左右されるなか、10年目にしてやっと利益を出すことができたという。「今後のミャンマーは市場としても大きくなってくれるはずです」と松岡氏は期待を込める。
取材した駐在員の多くは「あまりの日本企業の過熱ぶりが心配だ」と不安を隠さない。現地で悪戦苦闘する彼らだからこそ、その言葉には重みがある。最後のフロンティア――。この言葉の裏側に潜むリスクにも、ミャンマー進出を検討する日本企業は目を向ける必要がある。
(記事内写真はすべてWEDGE編集部撮影)
*現地取材班の取材後記はこちら
以上の記事はWEDGE8月号特集の第1部です。
特集『加熱するミャンマー詣で』
◎在緬駐在員が語る甘くない現実 マツオカ、マニー、高政、NTTデータ
◎日本の突破口となる ティラワ経済特別区
◎売れ筋から予感 巨大市場への可能性 ダイソー、日立、日本車
◎時給10円 カレー1杯200円
◎地場産業の育成が自立への道 農業近代化、天然ガス、ワイン
■「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。