2024年12月4日(水)

ウェッジ新刊インタビュー

2012年7月27日

――前著の『一万回の体当たり』や『命のバトン』でもアスリートの方のそのスポーツに対する姿勢に焦点を当てていますが、本書に通ずるところはありますか?

大元氏:『一万回の体当たり』ではラグビーの石塚さん、『命のバトン』ではライフセーバーの北矢宗志選手、お二人の人間性に迫りました。

 やはり二人ともトップアスリート。石塚さんは現役を退いて、監督になられてから「あの負け」に出会い、北矢さんは若い頃の「あの負け」が、今に活かされていると思います。「負け」を公にするかどうかは別にして、二人ともやはりそういうものを乗り越えてきたのだな、と。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

大元氏:誰にでも「負け」の経験があると思いますが、その負けを自分が傷つかないように上手くごまかすこともできます。真正面から自分の弱さとか醜さ、怠慢さなどを受け入れることは、本当に容易ではありません。しかし、それは次のステージに向かうためには避けては通れない関門だと思います。自分が理想とする自分、アスリートであれば、あの表彰台に立つんだ、という想い。昨日の自分より、今日の自分。どんな自分になるかは自分次第です。

 簡単なことではありませんが、この本が少しでも、その実現のきっかけになればこんなに嬉しいことはありません。ちなみに、私の夢は「古典」になることです! 千年後に「(松尾)芭蕉読んだ?」というように「(大元)よしき読んだ?」となりたいですね(笑)

大元よしき(たいげん・よしき)
スポーツ・歴史ライター。
1962年東京生まれ。東洋大学卒業。高校時代(保善高校)からラグビーを始め、2、3年時には全国大会出場。大学卒業後も社会人でプレーを続け17年間ラグビーと共に歩む。弓道三段。外資系IT企業のマネージャーからライターに転身。現在、株式会社パッションキッズ代表取締役。NPO法人ヒーローズ理事。
著書に『命のバトン~自閉症と個性派不登校児の教室~』『1万回の体当たり タックルマン石塚武生 炎のメッセージ~』(各小社刊)、『一緒に見上げた空[自閉症児×元不登校児]武蔵野東ラグビー部の軌跡~』(扶桑社)などがある。

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