2024年11月24日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年9月21日

 現在の米中戦略経済対話は、ブッシュ政権末期、ゼーリックが中国をresponsible stakeholderと呼んで以来始まったものと記憶しますが、対話による友好関係の維持に力点があり、米中間の大きな争点である人権問題などには全く触れていませんでした。今年4月の陳光誠事件に際して、戦略経済対話に出席中のクリントン国務長官が敢えて人権問題を提起した際には、それに対する批判もあった、というくらいでした。このように耳当たりの良いことだけを言っている会議を続けることはほとんど意味が無いというのがこの論文の論旨です。

 軍事交流も、その目的である中国軍事態勢の透明化には全く役に立っておらず、時としてその中止が、中国側の不快感の表明に利用されているだけです。発端は、中国が弱く、国際的に孤立している国家であるので、それに手を差し伸べようという米国独特の善意から始まったことですが、現在の中国にはほとんどその意味はなくなっています。

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