Wedge REPORT

2021年3月17日

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「福袋=売れ残り」というイメージを払拭

 キャラクターグッズのサブスクリプションを展開するうえで五十嵐さんがこだわったのは、「福袋=売れ残り」というイメージを払拭することだった。‶すでに発売されているグッズは入れない〟〝ここでしか手に入らない限定デザイン・限定アイテムを届ける〟というコンセプトを明確にした。また、キャラクターグッズの定番アイテムである缶バッチやクリアファイルばかりではファンの期待に十分応えられないと考え、生活に密着し普段使いできるアイテムの開発と提供もこだわっている。

 実際、毎月グッズが送られてくるとなると、既存のものだけではすぐに足りなくなってしまう。そのため、自社バイヤーが商品を日本中から仕入れ、プランナーが著作権を持つライセンサーと共同で、日々商品開発を進めている。マスクケース、セロテープなどの生活用品から、意外なところでは「お米」まである。

お米

 これらのこだわりは、ファンに好きなコンテンツの限定アイテムが定期的に届く喜びと、何が届くか分からないワクワク・ドキドキ感の体験を提供し、その結果「継続率95%」「利用者の8割は1万円コースを選択」に繋がっている。

 五十嵐さんが立ち上げたキャラクターグッズのサブスクリプションという新しいビジネスモデルは業界内でも話題になり、最近では、「この商品をグッズにしてもらえませんか?」というオファーが届くまでになっているという。特に、誰でも知っているような、いわゆる「レガシーキャラクター」を有する会社は、新たなファンの拡大やファンとの継続的な関係作りを図るため、キャラクターグッズのサブスクリプションへの関心が高いという。

 それに加えて、Vチューバー以外の業界からも、このビジネスモデルを実践してみたいという要望も届いているそうだ。

 「今や、ただ必要なものを買うだけなら、アマゾンなどで事足ります。そんな中で価値が高まっているのは、〝体験〟です。バーチャルな世界が拡がり、また所有からシェアへの傾向が強まるなか、この体験がセットになっていることが価値を持ち、ファンの支持、すなわち購入につながる時代になっていくのではないでしょうか」と、五十嵐さんは力説する。

 新型コロナウィルスの感染拡大やそれにともなう「巣ごもり消費」などを背景に、日本映画史上最大のヒットを記録した『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』『シン・エヴァンゲリオン』などの話題作が続き、一方でさまざまな分野でサブスクリプションのビジネスモデルが登場している。〝体験〟をセットに提供するキャラクターグッズのサブスクリプションが「物が売れない時代」のなかでどのような展開をみせるか注目したい。

  
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