Wedge REPORT

2021年3月17日

»著者プロフィール

 アニメや漫画などの人気キャラクターから、Vチューバーなどの幅広い限定グッズが毎月届けられる。価格(税抜き送料込み)は、1万500円、5500円、3500円の3つのコース(プランによって変更あり)から選択――。グッズのサブスクリプションサービス、名付けて「サプライズ・ボックス」。

「サプライズ・ボックス」のグッズの一つであるミトン

 「そんなの誰も買わない……」。Smarprise(スマープライズ、東京都渋谷区)の五十嵐健社長(38)は、このコンセプトを発表すると、周囲からは反対意見や悲壮感な意見が大半だったという。しかし、フタを開けてみると大人気。2019年10月にスタートさせてたところキャラクターなどによってばらつきはあるものの、継続率は95%、利用者の8割は1万円コース選んでいるという。キャラクター数も延べ50種類以上にまで増えた。

Vチューバー、「富士葵」って誰?

 そもそも、五十嵐さんはどうしてこの「サプライズボックス」を企画しようとしたのか? そこにはあるバーチャル・ユーチューバー(Vチューバー)の存在があった。立教大学を卒業後、サイバーエージェントとトレンダーズで、ウェブ広告とPRの基礎をみっちりと習得した五十嵐さんは、2015年にスマープライズを立ち上げ、メディア事業と動画マーケティングの支援などの事業をスタートした。そのころ「キズナアイ」などのVチューバーが登場し人気が高まっているなか、クライアントから「御社は独自のユーチューバーやVチューバーを運営しないの?」などと質問されることが多くなった。

 ここで「Vチューバー」の補足をすると、ユーチューブ(YouTube)で、CG・アニメをキャラクターにして、歌ったり、踊ったり、視聴者とコミュニケーションをとったりするキャラクターだ。このキャラクターを実際に演じるためにクオリティの高い機材を使う場合は、ハリウッド映画のCGでも使われるような、身体にセンサーを付けて人間の動きに合わせてキャラクターも動かすことができるような最新の装置を使って動かしている。

 そこでSmarpriseでは、自社Vチューバーの制作に踏み出し、生まれたのが「富士葵」だ。自社クリエイターの強い思いで「葵」という名は最初から決まっていたが、苗字をどうするか? グローバル化も見据えて、「富士」の名前をつけたという。コンセプトを「キミの心の応援団長」とした。

 「応援してください」ではなく、まずは「自分を勇気づけてくれる存在」となることで、結果的に「応援したくなる存在に進化」するのではと考えた。

 はじめからグローバル化を意識していたというのも凄い話だ。アイドルと言えば、今やBTSなど韓流アイドルが世界を席巻しているが、Vチューバーのようなキャラクターで産業は、日本が世界の最先端を走っていたが、世界的に見ればまだ浸透していなかったからだ。

 ユーチューブの富士葵チャンネルの登録者数は30.3万人に上り(2021年3月現在)、多くのファンを獲得し、その人気ぶりからメディアにも取り上げられるようにもなった。

 2018年12月のクリスマスに、富士葵プロジェクトでは「クリスマスBOX」を企画した。福袋形式で、価格は1万円、中身は秘密だが限定商品が入っているという触れ込みで販売したところ、予想の3倍の売れ行きとなった。

 このときの経験がもとになって、日本で初めてのキャラクターグッズのサブスクリプションというビジネスが誕生することになった。

関連記事

新着記事

»もっと見る