本体を細くしてバランスをとる
本体の形状も今までとは大幅に違っています。今まではスターウォーズに出てくる光線銃のような雰囲気だったのですが、今回はスティック。バッテリーも含め、パーツを縦に並べます。
高さは、1077ミリ。ダイソンで最も小さい「dyson micro 1.5キロ」(以下 マイクロ)が1091ミリなので、それよりちょっと低いのですが、オムニの持ち手は棒状。持ち方の強制がないので、不自由さは全く感じません。しかし、重さはマイクロは1.5キロで、オムニ 1.9キロ。手持ち式だと、1.9キロはそれなりの重さを感じるのですが、しかし実際は、低重心の上、本体部もなるべく小さく作くられており、手に対する重さはあまり感じられません。これなら楽勝という感じです。
バッテリー駆動時間は、約20分と、これもマイクロと同じ。バッテリーは重いので、まずは、ここからスタートということでしょうかね。
それでも、ご自慢のサイクロンには、手を入れており、モーターは新開発。最大で10万5000rpm(回転/分)回ります。サイクロンも小型化されているのですが、遠心力9万8000Gを叩き出します。世界市場でのメイン品番 V11が7万6000Gということですから、小型高性能です。
手に取り、試させてもらったのですが、第一印象は「看板に偽りなし」という感じで、思ったところのゴミを思ったようにとることができます。しかも手が楽。私は、手持ち式のスティック型掃除機のベスト3に、マイクロを入れていますが、それより気に入りましたね。
ちなみに、今回は自立式の充電スタンドも付属します。これは結構いいです。今までのダイソンのスティック型掃除機とは、一味も、二味も違います。
日本メーカーは、どうするのか?
この頃、画期的な新製品ではなく、どちらかというとIoT化に走っている日本メーカーですが、掃除機は、この先どうするのでしょうか? またダイソンの後追いをするのでしょうか?
私としては「して欲しくない」と思っています。というのはオムニは、まだ始まりであり、最終版でないからです。むしろ、ダイソンを追いかけるより、自立式で自分たちが納得できる完成度の高いスティック型掃除機を開発、結果、オムニも超えて欲しい。そうなると掃除機全体の質が上がりますし、市場も活性化します。
また、今の日本の家電が頭打ち感が出ているのは、自分たちが欲しいと思っている製品ではなくて、ユーザーアンケートに沿って作っていることが多分に挙げられます。物づくりで名機とよばれるものの多くは、「自分が欲しいから作った」という側面を持っています。
そうでないと「活力ある」製品は生まれません。
ダイソンの活力ある製品「オムニ」を見ながら、創始者がみんなのやる気を出させているダイソンを少し羨しく感じました。
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