2024年11月22日(金)

使えない上司・使えない部下

2021年4月29日

一般職と総合職の役割が同じになり苦しむ

笠原直子さん

 様々なハンディと向き合うようになったのは、2013年からです。人事制度改定によって、一般職と総合職の役割は同じ、違うのは転居転勤の有無だけになり、同時に人事部に異動しました。

 総合職の男性社員と仕事の内容やそれに伴う責任、昇進や昇格などの扱いが同じになったことで、一般職であった私は苦しむことが多々ありました。仕事の判断力や進め方において同世代の男性社員が随分と優秀に見えました。同じ土俵に立ったことで、知識や経験の幅や量、リーダーとしてプロジェクトを動かすなど、いわゆる場数を踏んでいないことが大きな差となって表れたように感じました。

 また、女性活躍推進の担当になったことで、女性社員のハンディに目を向けるようになりました。女性管理職の人数が少ないことにも様々な背景があります。会社として人事部として制度、運営、支援の見直しや、意識変革の取組を進めてきました。男女差のない昇進、昇格を始めとしてキャリア形成においては機会均等で、選択の幅は広くしていく方がよいと思っています。

 「使える、使えない」といった言葉には、人をモノ扱いしているニュアンスがあるように感じます。そのような使い方ならば、好ましくはないですね。一方で、どのように自らが会社や職場に役立っていくか、と考えるきっかけにはなる言葉だと思います。上司と部下との関係において役割を果たすことができているのかどうか。自らを客観視するという点において使える言葉だと思います。上司と部下お互いが「使える」人財になれるよう、常に心がけることが大切だと思います。

 かつて仕えた上司や現在の上司から「使える部下」と見られているならば、うれしいなと思います。使えない時期もあったのではないかとは思いますが。

 大学のクラスには、女性が4人いて、現在は外交官や会社の経営者をしていたり、商社マンと結婚し、海外と日本を往復したりしています。それぞれ大きく異なる人生を歩んでいて面白いし、女性のキャリアの多様さを象徴していると思います。

 今後は管理職になる女性も増えると思います。「使える、使えない」に職位や性別は関係ありません。「一般職入社だから」「女性だから」と昇進や昇格が遅れたり、責任ある仕事を任されない時代は変わりつつあります。多くの女性が自身が望むキャリアを形成できるよう、サポートしていくことが今後の目標です。

  
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