Wedge REPORT

2021年6月7日

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流れを好転できるか?

 しかも山口は海の向こうでメジャーどころかマイナーでも結果を残せていない。この結果は動かしようがなく如何ともし難いだろう。セ・リーグ某球団のスコアラーからは「もしかしたら劣化したのではないか」と辛らつな見解まで出ているほどだ。ちなみに、そのスコアラーは「仮に山口が日本プロ野球界に復帰し、2年前のように八面六臂の活躍をするとなったら『マイナーでも通用しなかった投手が活躍できるNPBのレベルはどうなんだ』と言われかねない」と皮肉めいた指摘も補足していた。

 MLBで鳴かず飛ばずに終わった上、実労期間も1年未満に終わった山口の帰国決断を巡っては米球界から厳しい未来予測も浮上している。今後、MLBとNPBの間に存在する「ポスティングシステム」を利用し、メジャー挑戦を目指す日本人選手に悪影響を及ぼすのではないかと懸念する声だ。

 選手に支払うサラリーに加え、日本の所属球団に譲渡金を払う〝プラスアルファ〟の出費が必要な同システムに関してはMLBの間で「不均衡」としてかねて評判が良くない。MLB全体がコロナ禍で打撃を受けている今、同システムを利用してメジャー挑戦を目指す日本人選手の獲得には大幅な出費がかさむことから二の足を踏む球団は今後も増えることが予想され「そこに山口のような〝失敗例〟があるとなれば、ますます手を上げにくくなる」(ア・リーグ球団の極東担当スカウト)という分析も入り混じる。

 SFジャイアンツの地元サンフランシスコを拠点に発行されている「サンフランシスコ・クロニクル」紙では、3Aでくすぶっていた山口について「制球力さえ整ってくれば彼のスプリットは大きな武器になるはずだ。いずれ必要になる時が来る」と評されていたこともあった。それだけに、辛抱強くメジャー昇格を目指して欲しかったと個人的には思う。国内Uターンへの風当たりは強いだろうが、流れを好転させるためには新天地で結果を残し評価を一変させるしかない。

  
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