代償は大きかった。千葉ロッテマリーンズが23日、清田育宏外野手の契約を解除したと発表した。
昨年9月末からの札幌遠征中に不倫相手の女性と連日会食に繰り出して不貞行為に及んだことを写真週刊誌に報道され、コロナ禍で内規違反を犯していたにもかかわらず〝隠蔽工作〟を行うなど極めて姑息で悪質な愚行が発覚。今年1月15日付で無期限謹慎処分となった後、5月1日付で解除され二軍戦にも出場したが、再び同じ写真週刊誌によって21日に今度は違う女性との不倫疑惑を報じられていた。
さすがに、今度ばかりはもうさすがに庇えないと判断したようだ。ロッテの決断は早かった。しかし、前回に下した無期限謹慎処分は決定から僅か3カ月半で解除されており、結局名ばかりの大甘ペナルティが清田の無自覚を増長させていたとみられても仕方がない。一度ならず二度までも背信行為を繰り返しながらズルズルと契約を結んだままであればチーム全体に悪影響を与え、球団はもちろんのことロッテ本社のイメージダウンも避けられなくなる。
今年2月で35歳となった清田はプロ12年目。2015年には打率3割1分7厘、15本塁打、67打点をマークし、ベストナインに選出された経歴を誇る。昨季もシーズン終盤に4番を任されるなどベテランながらも主力としてチームで存在感を見せていた。昨年末の契約更改では推定年俸6000万円で2年契約を結んでいるだけに球団としても複数年契約を締結した以上、必要不可欠な戦力と考えていたのは明白だ。だからこそ1度目の不倫報道の際、大甘裁定に踏み切って〝延命〟させ更生のチャンスを与えたが、結果的にこれはとんでもない大きな判断ミスだった。
清田の契約解除発表は写真週刊誌による2度目の不倫疑惑報道から、たったの2日後。異例の「スピード解雇」には、批判覚悟で一度は手を差し伸べたにもかかわらず、その恩をアダで返された球団側の激しい怒りがにじみ出ている。
懲りない不倫の連続もさることながら、清田が最も許されないのはコロナ禍における規約違反を何ら反省することなく平然と破り続けてきたことである。プロスポーツの世界に身を置く存在でありながらルールを守らず世の中の流れに反し、ファンを欺きながら裏側で好き勝手に傍若無人を貫いてきた。ロッテの下した決断は至極当然であり、清田も甘んじで受け入れなければならない。
今後の清田にはイバラの道が待っている。本人の心中に「もしかしたら他球団がどこか拾ってくれるかもしれない」という甘い考えがあるのだとしたら捨て去った方が賢明だ。他のNPB・セパ11球団はどこも、まず間違いなく獲得には動かない。日本全体が新型コロナウイルスの感染拡大で自粛を強いられる中、所属球団を小ばかにするようにルール破りを連発してまで自身の煩悩を抑制できず不義密通に走った選手の獲得に万が一動けば猛烈な批判を浴びるのは必至。ひと昔前よりもコンプライアンスが厳しくなったこともあり、日本のプロ球団はロッテから契約解除となった清田に目もくれないだろう。