2024年7月20日(土)

復活のキーワード

2012年11月8日

 そんな手詰まりの中で、参考になるのが、英・ロンドンの空港戦略だろう。ロンドンには空港が5つある。メインのヒースロー国際空港のほかに、ガトウィック空港、ロンドン・シティ空港があり、50キロ近く離れた場所にスタンステッド空港、ルートン空港がある。後者2つは格安航空会社が主に利用しており、格安航空会社ライアンエアーがスタンステッドを、イージージェットがルートンを本拠地にしている。

 ヒースローの11年の国際線旅客数は6468万人。世界一の座を守り続けるために拡張を続け、今ではターミナルは5つになった。それでも収まらない国際定期便はガトウィックに。北米路線の定期便のほか、チャーター便も多くがこの空港を使う。ガトウィックの旅客数は2992万人で世界11位。何と成田よりも多いのだ。これに金融街シティや新興ビジネス街カナリーワーフに近いロンドン・シティ空港は、欧州大陸などからのビジネス客を主体とする中小型機が発着する。

5つの空港を使うロンドンの戦略

 ロンドン周辺の5つの空港を機能分化させ、相乗効果を上げているのだ。5つの空港を「一体」ととらえて戦略を練っているのだ。ロンドンが世界中からヒト・モノ・カネを集めることができているのも、こうした空港戦略の成功が背景にあると見ていいだろう。

 では、ロンドン・モデルをどう日本に応用するか。成田と羽田を一体として戦略を練り直すべきだろう。まだまだ国際線は成田、国内線は羽田といった機能分化の考え方がしみこんでいる。

 都心の会社から旅立つビジネスマンにとって、羽田の国際線が増えれば圧倒的に利便性は高まる。実際、羽田を深夜に飛び立って、欧州の早朝に着く便や、米西海岸の夕方に着く便、羽田を早朝に発って、ニューヨークに早朝に着く便など、新しい運航パターンが生まれ、海外出張をより効率的にこなすことができるようになった。

 一方で、東京の東部や千葉、茨城など首都圏に住む人たちにとって、羽田よりも成田の方が便利な人たちも少なくない。にもかかわらず、成田の国内線は極端に少なく、不便なのだ。

 ハブ空港のハブは自転車などの車軸のことを言う。ハブから車輪に向かって伸びるのがスポークだ。ハブ空港が機能するにはスポークが無くてはならない。国際線だけのスポークではなく、国内線のネットワークの中心であることも重要なのだ。


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