フロリダ州7つの政治ブロックと両陣営の激戦エリア
2012年大統領選挙でロムニーが勝ち抜きたいフロリダ州は、政治的には7つのブロックに分けられる。以下は地元フロリダ州の共和党関係者から筆者が聞いた伝統的な「政治的」地域分類である。
第1に「深南部隣接ブロック」と呼ばれる地域。州境の上層、左側に突き出た細長い部分をふくむエリア。民主党保守派の牙城だが、例外的に西部のペンサコラ、フォートウォルトンビーチ地域には空軍基地があり、多くの退役軍人が存在し、北東端のジャクソンビルには海軍基地があり、政治に活動的な軍人が存在するため、共和党優位である。
第2に「宇宙沿岸ブロック」と呼ばれる地域。州北部から大西洋沿岸にパームビーチ郡手前まで広がるエリアで、地元政治関係者の間では「スペース・コースト(宇宙沿岸)」とされている。有名なケネディスペースセンターもここにある。宇宙産業など政府の受注産業、空軍、NASAが存在する。
第3に「ゴールドコースト・ブロック」。パームビーチ、ブロワード、マイアミ・デードの3つの郡の地域だ。通称「ゴールドコースト」で、ニューヨーク州、コネチカット州からの富裕な定年退職者が多い。
第4に「サンコースト・ブロック」。フロリダ州の半島先端から北上しパスコ郡までの内側沿岸である。共和党の比重がもっとも州内でも強いエリアで、通称「サンコースト」である。中西部からの定年退職者が多く、とくにミシガン州からの移住者が多い。2008年の予備選ではロムニーとマケインが激戦を演じたブロックだが、ロムニーはここで60歳以上のシニア層の票をマケインに奪われて撃沈している。
第5に「ゴールデンガードル・ブロック」である。タンパ、オーランドからデイトナまで、大西洋岸に内陸を貫通して突き抜けるブロックだ。「ゴールデンガードル」と通称される。フロリダ州内で「定年退職者向け」以外の産業や経済活動が栄えるエリアである。運輸のタンパ、燐酸塩のレイクランド、観光産業のオーランドとされる。オーランドにはディズニーとその関連の観光産業が雇用を支えている。