10月5日付ワシントン・ポスト紙(WP)、ウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)も社説で、「もっとインパクトのある米国主導の中国対抗策は、TPPへの参加であった、バイデンはTPPへの復帰の兆しを示していないがそれを変えるべきだ」(WP)、「バイデンは中国の TPP加盟申請にどう対応するのか...大統領府は何処の国に対しても貿易戦略がない...何たる失望だ」(WSJ)とTPP復帰を強く求めている。
中国の狙いは台湾加盟の阻止
中国の環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)加盟申請の意図については、①国内改革の梃に使いたい、②米国、台湾の参加を阻止したい、③TPPを支配したいことが挙げられる。しかし中国の最大の目的は、台湾加盟の阻止だったのではないだろうか。しかし実際には中国の申請が台湾の申請を誘発することになった。
その後、王毅外相が関係国に頻りに話をしているようだが、何よりも台湾の加盟交渉を早期に進めないように働きかけているのではないか。中国にとって、望ましくない順列は、台湾が早期に単独で加盟、米国と台湾がほぼ同時期に加盟、中国と台湾の同時加盟ということではないだろうか。
日豪越加墨等が協力して、米国に対してCPTPPへの加盟申請を働きかけるべきだろう。