2024年11月22日(金)

Wedge SPECIAL REPORT

2022年1月1日

 コロナ禍だからといって、国民は税金の無駄遣いを望んでいるわけではない。無駄遣いをなくす取り組みは、新型コロナウイルス対策と並行して実行できる。

小泉・菅・安倍内閣……
浮かんでは消えたPB黒字化

 新型コロナの感染第5波もほぼ収束し、衆院選を終えた今、11月10日に発足した第2次岸田内閣は「財政再建」という日本の本丸的課題に向き合うべきである。岸田首相が範とした「田園都市国家構想」を掲げた大平正芳元首相は、政権を賭して財政再建に挑戦したのだ。

 新政権が採るべき道を探るにはまず、これまでの政権がどのような財政政策を採り、その結果どのような課題が残されたかを見ていくことが重要だ。

 21世紀に入ってからのわが国の歴代政権は、財政運営において、「財政健全化」と「デフレ脱却」というトレードオフ(二律背反)に直面してきた。しかし、どちらも貫徹できず、二兎を追うものは一兎も得ないまま今日に至っている。

 端緒は、2001年に発足した小泉純一郎内閣だった。

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Wedge 2022年1月号より
破裂寸前の国家財政 それでもバラマキ続けるのか
破裂寸前の国家財政 それでもバラマキ続けるのか

日本の借金膨張が止まらない。世界一の「債務大国」であるにもかかわらず、新型コロナ対策を理由にした国債発行、予算増額はとどまるところを知らない。だが、際限なく天から降ってくるお金は、日本企業や国民一人ひとりが本来持つ自立の精神を奪い、思考停止へと誘(いざな)う。このまま突き進めば、将来どのような危機が起こりうるのか。その未来を避ける方策とは。“打ち出の小槌”など、現実の世界には存在しない。


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