コロナ禍だからといって、国民は税金の無駄遣いを望んでいるわけではない。無駄遣いをなくす取り組みは、新型コロナウイルス対策と並行して実行できる。
小泉・菅・安倍内閣……
浮かんでは消えたPB黒字化
新型コロナの感染第5波もほぼ収束し、衆院選を終えた今、11月10日に発足した第2次岸田内閣は「財政再建」という日本の本丸的課題に向き合うべきである。岸田首相が範とした「田園都市国家構想」を掲げた大平正芳元首相は、政権を賭して財政再建に挑戦したのだ。
新政権が採るべき道を探るにはまず、これまでの政権がどのような財政政策を採り、その結果どのような課題が残されたかを見ていくことが重要だ。
21世紀に入ってからのわが国の歴代政権は、財政運営において、「財政健全化」と「デフレ脱却」というトレードオフ(二律背反)に直面してきた。しかし、どちらも貫徹できず、二兎を追うものは一兎も得ないまま今日に至っている。
端緒は、2001年に発足した小泉純一郎内閣だった。
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