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2022年1月1日

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土居丈朗 (どい・たけろう)

慶應義塾大学経済学部教授

専門は公共経済学、財政学、税制等。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。東京大学社会科学研究所助手等を経て現職。『地方債改革の経済学』(日本経済新聞出版社)で2007年度日経・経済図書文化賞とサントリー学芸賞を受賞。近著に『平成の経済政策はどう決められたか アベノミクスの源流を探る』(中央公論新社、2020年)がある。

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POOL/GETTYIMAGES

 10月31日投開票の第49回衆議院総選挙では、与党も野党も財源の議論なく現金給付や減税を公約に掲げた。

 政策の舵を取る岸田文雄首相自身も、新首相就任直後の10月8日の所信表明演説で「経済あっての財政であり、順番を間違えてはならない」との発言があった。確かに、政権発足直後で、政府の資金繰りに窮しているわけでもないから、直ちに国民に増税を含む負担増を訴える局面ではないかもしれない。しかし、安定した財政基盤なくしては、経済はおろか、国家の存立そのものが危うくなる。

 コロナ禍からの回復に向けた当面の財政出動を実施することと、将来の財政健全化への道筋を示すことは、必ずしも矛盾しない。それらを同時に進め、両立させることこそ、岸田新政権に求められる政策運営である。

 経済回復を後押しする財政支援は、今後の回復とともに不要となることから、一過性のものである。当然ながら、これら支援を永続させる必要はなく、もし永続させれば国民に不健全な財政依存を引き起こしかねない。だから、経済回復とともに財政出動を店じまいすることで、財政支出が抑えられて財政収支が改善する。これが、財政健全化につながるのだ。

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