2022年7月5日(火)

デジタル時代の経営・安全保障学

2022年3月2日

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山崎文明 (やまさき・ふみあき)

情報安全保障研究所首席研究員

明治大学サイバー研究所客員研究員。元会津大学特任教授。1978年、神戸大学海事科学部卒業。損害保険会社を経て大手外資系会計監査法人でシステム監査に長年従事。システム監査、情報セキュリティー、個人情報保護に関する専門家として、政府関連委員会委員を歴任。

 日本は、今回のロシアのウクライナ侵略から学ぶことの一つとして、サウジアラビアのようにDNSSECの普及にKPIを設定したり、補助金を出すなどのインターネットを根本から強固なものとする政策をとっていく必要がある。

次は尖閣・台湾

 中華人民解放軍が、今回のロシアのハイブリッド戦の進め方を参考にしないはずはない。中国にサイバー攻撃やサイバーを使った諜報活動の仕方を教えたのは、ロシアだからだ。

 だとすると台湾に侵攻する際の手順として、真っ先にサイバー攻撃を仕掛けてくるはずだ。そして、尖閣諸島も同時に手中に収めようとするだろう。そのためには、日本にある米軍基地や日本のインフラに対して無力化を図るはずだ。

 したがって、海底ケーブルの切断や日本国内のインターネット通信を攻撃することは間違いない。日本国内のインターネットに対する攻撃は、日本国内に潜入した工作員によって、日本国内から行われる可能性が高いことも想定しておく必要がある。

 有事におけるサイバー攻撃は、基本的にインターネットの停止が最大の目的になるはずで、防衛する側にとっては、攻撃以外に有効な防衛手段は少ない。日本政府は、今回のロシアのウクライナへの侵略を詳細に分析し、インターネットそのもののセキュリティを強固なものにする政策を行なっていくことだろう。

 
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