日本は、今回のロシアのウクライナ侵略から学ぶことの一つとして、サウジアラビアのようにDNSSECの普及にKPIを設定したり、補助金を出すなどのインターネットを根本から強固なものとする政策をとっていく必要がある。
次は尖閣・台湾
中華人民解放軍が、今回のロシアのハイブリッド戦の進め方を参考にしないはずはない。中国にサイバー攻撃やサイバーを使った諜報活動の仕方を教えたのは、ロシアだからだ。
だとすると台湾に侵攻する際の手順として、真っ先にサイバー攻撃を仕掛けてくるはずだ。そして、尖閣諸島も同時に手中に収めようとするだろう。そのためには、日本にある米軍基地や日本のインフラに対して無力化を図るはずだ。
したがって、海底ケーブルの切断や日本国内のインターネット通信を攻撃することは間違いない。日本国内のインターネットに対する攻撃は、日本国内に潜入した工作員によって、日本国内から行われる可能性が高いことも想定しておく必要がある。
有事におけるサイバー攻撃は、基本的にインターネットの停止が最大の目的になるはずで、防衛する側にとっては、攻撃以外に有効な防衛手段は少ない。日本政府は、今回のロシアのウクライナへの侵略を詳細に分析し、インターネットそのもののセキュリティを強固なものにする政策を行なっていくことだろう。
『Wedge』2021年12月号で「日常から国家まで 今日はあなたが狙われる」を特集しております。
いまやすべての人間と国家が、サイバー攻撃の対象となっている。国境のないネット空間で、日々ハッカーたちが蠢き、さまざまな手で忍び寄る。その背後には誰がいるのか。彼らの狙いは何か。その影響はどこまで拡がるのか─。われわれが日々使うデバイスから、企業の情報・技術管理、そして国家の安全保障へ。すべてが繋がる便利な時代に、国を揺るがす脅威もまた、すべてに繋がっている。
特集はWedge Online Premiumにてご購入することができます。
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