女川原発再稼働への思い
さて――。取材の終わり際、伊藤さんは「三陸を活性化させるには、一つ大きな問題があるんだけどな」と言った。「大きな問題?」と聞き返すと「女川原子力発電所だよ」と答えた。
「金華山(宮城県石巻市の太平洋上の島)があるでしょう? この山を境に、潮流が変わるんだよ。金華山の少し北に、女川原発はあるから、もし事故が起こったら、その北に位置する三陸沖は放射性物質に覆われることになる。そうしたら、日本の漁業は終わりなんだよ。だから、俺は何が何でも、命をかけても女川原発の再稼働を食い止めるつもりだよ」
もうすぐ2013年3月11日を迎える。2012年には、伊藤さん自身、何度も県に訴え続けてきた震災後に立ち上げた企業への支援制度もスタートした。
「今は、まだまだくすぶっている状態であることは確かだよ。でも、経営って、最初はそういうものでしょう。ここを我慢して、乗り切っていけば、必ず、俺らの取り組みは成功する。そう信じて、必死にやるだけだ」
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