Wedge OPINION

2022年4月2日

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向山行雄 (むこうやま・ゆきお)

敬愛大学教育学部教授・教育学部長

全国連合小学校長会顧問。1950年東京生まれ。73年横浜国立大学卒業。東京都公立小学校教員、東京都教育委員会指導主事、品川区教育委員会指導課長、中央区立泰明小学校長、帝京大学教職大学院教授などを経て現職。主な著書に『平成の学校づくり─日本の学校のチカラ─』(第一公報社)など。

 我が国の学校教育では長年、安全保障に関する内容はタブー視されてきた。だが、領土問題や自衛隊の役割を直視することこそ、平和学習のあるべき姿ではないか。「Wedge」2022年3月号に掲載されたWEDGE OPINIONでは、そこに欠かせない視点を提言しております。記事内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
「領土問題」という現実を教科書に明記することについて紆余曲折があった (YONHAP/AFLO)

 2月下旬の学校。北国では雪の中の登校、南国では春の訪れ。細長い日本列島各地で、卒業式の式歌のメロディーが流れる。伝統曲「仰げば尊し」「蛍の光」の他に「旅立ちの日に」なども歌われる。コロナ禍の三度目の春。各学校の合唱練習も感染防止対策を徹底して行われる。

 先の大戦の際、空襲で卒業式のできなかった世代がある。後年、還暦や古稀を迎えて同窓生が集い、改めて卒業式を挙行した小学校もある。それだけ、卒業式ができなかった空白感は長く、その世代の人々の心の中に沈殿するのである。今日の〈2年生世代〉。小学校2年生、中学校2年生、高校2年生、大学2年生、社会人2年生は、卒業行事も入学や入社行事も経験しなかった人は多い。彼らが長じて、できなかった行事を追体験したいと願うのか。それとも、時間の流れの中で忘却の彼方に追いやるのかは分からない。おそらくは空襲体験世代と同様に、その世代にしか実感できぬ哀しみなのだろう。

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