なぜ今、「対話力」なのか
高度経済成長期の日本には「米国に追いつけ追い越せ」という明確な目標があった。また、拡大していく市場に参入すれば、他社と同じことをしていても企業が成長した時代であった。
しかし、新型コロナウイルスによるパンデミックやロシアのウクライナ侵攻をはじめとする安全保障環境など、日本企業を取り巻く環境は目まぐるしく変化している。そうした変化に柔軟に対応し、激しい競争を勝ち抜くために必要なことは何か──。それは、いかに多くの選択肢を持ち、検討し、最良の選択をするかである。その決断の質を決めるカギになるのが、意思決定プロセスにおける「対話」なのである。
対話力を向上させるために不可欠な要素が「アプリシエーション」と「アサーティブネス」である。
前者は、自分とは違う相手の立場を理解し相手の考えに価値を見出すことだ。ただし、これは相手の考えを無条件に受け入れることではない。後者は、お互いの立場を尊重して主張することだ。日本人は、主張されると攻撃された感覚に陥りがちだが、そうではなく、……
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