2024年12月22日(日)

Wedge SPECIAL REPORT

2022年4月9日

「Wedge」2022年4月号に掲載され、好評を博している特集「デジタル時代に人を生かす 日本型人事の再構築」記事の内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
イラストレーション・相田智之
ビジネス環境が激変する今だからこそ、求められるのは「対話力」だ。対話力研究の第一人者に、その極意と明日から使える「手法」を聞いた──。
話し手・田村次朗
聞き手/構成・編集部(野川隆輝)
田村次朗(Jiro Tamura)
慶應義塾大学法学部 教授、弁護士
米ハーバード大学国際交渉学プログラム・インターナショナル・アカデミック・アドバイザー
慶應義塾大学法学部卒、米ハーバード・ロー・スクール、慶應義塾大学大学院。ブルッキングス研究所、米上院議員事務所客員研究員、米ジョージタウン大学ロースクール兼任教授を経て現職。著書に『ハーバード×慶應流 交渉学入門』(中央公論新社)、『リーダーシップを鍛える「対話学」のすゝめ』(共著、東京書籍)、『16歳からの交渉力』(実務教育出版)など多数。 (WEDGE)

 国際化が急速に進む今、われわれは好むと好まざるとにかかわらず、モノの見方や意見が異なる人と話し合う機会が増えている。政治の場はもちろん、ビジネスや日常生活、あらゆる人間関係の基礎にあるのが「対話力」だ。

 この一文で「コミュニケーションは大事だ」という漠とした結論を想像した読者もいるだろう。しかし、多くの日本人が想像する「コミュニケーション」とは、実際には「会話」であって「対話」ではない場合が多い。

 「対話」とは、対立を恐れずに異なる考えや意見を持つ人と話し合うこと、相手に合わせることなく意見の相違を確認しながら協働して問題解決に取り組むことだ。これによってはじめて、創造的な問題解決策が生まれるのだ。

 日本では「場を重んじる」「空気を読む」ことが求められ、対話する土壌が形成されてこなかった。そのため「対話」は、極力対立を避け相手に合わせて親睦を深める「会話」と混同されることが多い。また、日本人には先輩・後輩や上司・部下などの上下関係を重視する文化が根付いており、これを根底から覆すのは簡単ではない。


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