「Wedge」2022年4月号に掲載され、好評を博している特集「デジタル時代に人を生かす 日本型人事の再構築」記事の内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
「急速な少子高齢化への対策を放置すれば、会社の存続が危ぶまれる」
今回、小誌の取材に応じた企業の経営者や事業担当者は一様にこう語った。経験豊富な人材の大量退職時代を迎える中、多くの企業にあてはまる喫緊の課題は2つある。
今ある自社の技術をいかに若い世代に継承し早期育成を図るか。そして、既存の事業をいかに少ない人数で運営できるよう効率化するかだ。
多くの企業が「技能継承」に課題を感じている
改善に向けた一手として注目を浴びるのが「デジタル」の力だ。年間でのべ400社近くの経営者から相談を受ける愛知県産業人材育成支援センターの逸見美秋コーディネーターは「直近2~3年で経営者のデジタル化に対する関心は一気に高まった」と話す。
ものづくり研究の第一人者で早稲田大学大学院の藤本隆宏教授は「熟練技術の継承には、熟練者が言葉で伝えにくい暗黙知的な動作をデータ化し『見える化』することが有効だ。国内にもすでにデジタル技術やAIを活用する現場があるが、自動化するのか、人間同士で技能継承するのか、そうした判断は経営陣の全体方針を踏まえ、実態を知る現場が行うべきだ」と語る。