2022年12月6日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年4月21日

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 そもそも、2019年9月に、ソロモン諸島が台湾との国交を断絶し、中国との国交を樹立してから、ソロモン諸島の国内政治経済への中国の介入は積極化した。最初は、経済支援で親中派を育成し、大型プロジェクトで政府に接近する。

進むソロモンの軍事基地化

 昨年(21年)11月には、不満を持つ国民が、ソロモンの首都で反政府暴動を起こし、その鎮圧には、ソロモン政府の要請を受け、豪州、ニュージーランド、フィジーなどの平和維持部隊が派遣された。この暴動の後、中国は、ソロモンに、中国の警察官を派遣したり武器を提供したりして、ソロモンの治安維持や自国民の保護を理由に、介入を始めた。そして、今回、世界の注目がウクライナ・ロシア戦争に集中している最中、中国は、秘密裡に、ソロモンと安全保障協定を結ぼうとした。

 ネット上に漏洩された協定の案文によれば、中国は、警察部隊の他、人民解放軍を派遣したり、海軍の艦船を寄港させたりできる。すなわち、南シナ海の軍事化に続く、ソロモンの軍事基地化である。中国共産党の治安維持のやり方は香港での方法とも類似し、軍の派遣の口実は、ウクライナ内の自国民保護というロシアの言い分を想起させる。

 日本は、従来から、太平洋島嶼諸国サミットを開催するなど、これらの国々と交流を深め、外交関係を強化してきた。現在、これらの太平洋地域が「発火点」にもなりかねない状況で、日本として出来ることは何か。

 日米豪印の「クワッド」(4カ国)の枠組みや、さらにニュージーランド、英国、フランス、カナダ等を加えた協力枠組みで、自由で開かれた「インド太平洋」構想を実現する必要があるだろう。

  
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