2024年11月22日(金)

2024年米大統領選挙への道

2022年4月30日

バイデンは最終的にどこに勝利を置いているのか? 

 バイデン大統領は「キーウでの戦闘はウクライナ国民にとって歴史的な勝利だ。自由の勝利だ」と語気を強めた。ロシア軍の爆撃が続く中でも、「ゼレンスキー大統領と民主主義の選挙で選ばれた政府は権力の座にある」と強調した。さらに、「プーチンはウクライナ全土を決して占領できないだろう」とも語った。

 ロシアが2月24日にウクライナに侵攻して以来、バイデン氏は34億ドル(約4360億円)の軍事支援を行い、支援を加速している。ホワイトハウスの記者団の中には、「戦争が長期化した場合、このペースでウクライナに支援を続けることができるのか」と懸念する声がある。

 にもかかわらず、バイデン氏が軍事支援を加速させているのは前述の通り、ドンバス戦を重視しているのに加えて、ロシアとウクライナの戦争を「専制主義対民主主義」の戦いと位置付け、自由と民主主義の勝利を目指しているからだ。

 ただ、バイデン氏の最終目的はロシアではなく中国だ。そう言い切れるエピソードを紹介しよう。

標的はプーチンではなく習近平

 バイデン大統領は4月21日西部ワシントン州シアトルに飛び、ある支持者の家で資金集めを行った。そこでバイデン氏は集まった献金者にプーチン氏のウクライナとの戦争における誤算について語る前に、中国の習近平国家主席の思考様式に関してかなりの時間を割いた。

 バイデン氏は冒頭、「習は民主主義のかけらもない男だ」と断言した。その上で、「習は21世紀において民主主義が持続できるとは思っていない。変化が激しいからだ。彼は中国を専制主義とは呼んでいないが、専制主義のみが(21世紀の変化に)対応できると考えている」と説明した。習氏は「答えは専制主義である」と信じているというのだ。

 一方バイデン氏によれば、民主主義はコンセンサス(合意形成)を求めるので、国民が結束するまでに多くの時間を要する。15年前と比較すると民主主義国家が減少しているので、同盟国やパートナーを再建する必要がある。

 さらに、習主席が「米国は人権問題で他国を批判するべきではない」と、バイデン大統領に警告を発したことを明かした。これに対して、バイデン氏は「米国は理想に基づいて建国した唯一の国である」と反論し、人権問題で批判を続けると習氏に伝えたという。言うまでもなく、米国の理想とは個人の自由と民主主義である。

 バイデン大統領は21世紀においても民主主義は機能し、専制主義よりも優れていることを証明することが重要だと指摘した。バイデン氏の勝利とは、中国に対する自由と民主主義の勝利である。


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