韓国のサムスンはここを先途と大投資を決断する。米国の半導体業界はトヨタ生産方式に学び、ペンタゴンとともに「オープン・オブジェクト指向型生産方式」を開発した。いわば「後工程が前工程を取りに行く」トヨタ方式をITで最適化したものであり、半導体の生産性が3割以上上昇した。サムスンや半導体受託会社もこぞってこの方式を採用したが、日本だけが見向きもしなかった。モノづくりは日本が一番、というわけである。6年後の92年、日米半導体が再逆転した。
山下は言っていた。「ほろびゆくものの最大の原因はおごりです。活力のある企業は栄え、活力を失った企業は衰える。一度守りの姿勢になった企業は衰退の一途を辿るのみ」。
山下の予言通りになってしまった。
「個」の主体性・自主性への信頼
新自由主義が壊した「事業部制」
日本の衰退は二段階で起こった。バブルのおごりが第一段階。第二段階は、……
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