2024年11月22日(金)

中島厚志が読み解く「激動の経済」

2013年3月28日

 もっとも、堅調な景気や市場の展開はよいとしても、日米欧が足並み揃えて大胆な金融緩和政策に踏み込むことは、世界的な金融相場をさらに強力に継続させかねない。リーマンショック後いままで主要国は景気回復に注力してきた。しかし、このまま大胆な金融緩和基調が続いていくと、リーマンショック後の景気回復局面の最後は世界的な金融バブルに至る可能性すらある。

 欧州経済の回復にはしばらく時間がかかることから、リーマンショック後の主要先進国の景気停滞がすぐに終わることにはならない。したがって、現在はリーマンショック後回復局面の終わりの始まりとみることもできる。

 しかし、いまから世界的金融バブルというのは早計としても、主要国ともいずれ大胆な金融緩和政策を見直す時期がやってくる。とくに、足元大胆な金融緩和に乗り出す日本にとっては、当面デフレ脱却と経済活性化を最優先としつつも、ババをつかまない手綱さばきが欠かせない。

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