そして、市民は通行手形を得るためにやむにやまれず検査を受け続けるのだが、その結果、自分や家族・同じマンションの住民の中から1人でも陽性者が出たらまた生活する居住区は封鎖生活に逆戻り。ロックダウン解除翌日の6月2日には早くも「再封鎖地区」が複数発生し、結局のところ市民にとっては全く安心できない日々が続いているのだ。
日本人学校は登校再開が不透明
ロックダウンから派生した影響は現地の日本人学校にも出ている。上海市政府は5月26日の記者会見で、受験を控えた高校2・3年生は6月6日から、中学3年生は6月13日から通学を再開させると発表した。ロックダウン期間中、上海の日本人学校は、4月29日から新学期をスタートさせているが、オンライン授業の上に通常時に比べてコマ数は少ない、教科書が生徒の手元に届いていないといった状況も続いていた。
中学部と高等部がある市東部の日本人学校は、この発表を受け同様の形での登校再開を模索した。しかし当局からの回答は「NO」。6月2日に学校側が保護者向けに出した文書によると、「中国の大学及び高校入試に関係のない学校、学年については今学期の登校開始はない」との〝明確な〟回答が当局からあったという。文書には、一刻も早い登校再開及び対面授業の開始ができるよう努力をしていくとの言葉も添えられているが、先行きは不透明だ。
日本同様、上海にも梅雨シーズンが近づいている。なかなかすっきりせずジメジメとした空模様は、素直にロックダウン解除を喜べない上海市民のココロを映した鏡か。今年の上海の梅雨はいつになく長いものになりそうだ。