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World Energy Watch

2022年6月21日

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山本隆三 (やまもと・りゅうぞう)

常葉大学名誉教授

NPO法人国際環境経済研究所所長。住友商事地球環境部長などを経て現職。経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。著書に『電力不足が招く成長の限界』(エネルギーフォーラム社)など多数。

 日本の産業用電気料金は、欧州主要国との比較では、原子力発電が国内発電量の7割を供給しているフランスを除けば、20年時点でほぼ同レベル。自国資源に恵まれる米加よりは高くなっていた。

 エネルギー危機により主要国の電気料金は軒並み上昇しているので、相対的な国際競争力は変わらないと考えがちだが、エネルギー危機による電気料金上昇額は国により異なり、国際競争力に影響を与える。中でも東アジアの競争相手、韓国と中国の電気料金は他主要国ほど上昇しないと考えられる。

韓国と中国の電気料金はなぜ上がらないのか

 電力消費量が相対的に多い製造業の比率が高い国の産業界は、電気料金上昇の影響をより大きく受ける。主要国の国内総生産額に占める製造業の比率では、先進国の中で日本とドイツは製造業比率が高い。また、中国、韓国の製造業比率は、産業が成熟しきれていないことからペティ=クラークの法則通り、先進国より高くなっている(図-3)。

 だが、中国と韓国の製造業がエネルギー価格上昇により受ける影響は、先進主要国との比較で、軽微と考えられる。中国、韓国と日本の電源別発電量が図-4に示されている。

 中国では石炭火力比率が高く、約3分の2を占める。使用される石炭の大半は、中国国内での生産だ。中国は世界の石炭のほぼ半分を生産している石炭大国だ。石炭の価格は上昇しているが、他の化石燃料との比較では依然競争力がある。

 中国産出の石炭価格は、国際価格の影響を受けるにせよ限定的だ。さらに、欧州向け販路が縮小しているロシアからの化石燃料の購入額は国際価格を下回っている。

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