また、長い民進党政権時代と世代の交代によって、軍の中堅幹部の台湾化も進んでいるので、その基本的軍事戦略には変わりは無いのでしょう。
そして、中国の周辺諸国に対する強硬姿勢が続けば、台湾の軍事力強化と周辺諸国との秘かな協力関係の強化は、馬英九政権の下でも進めざるを得ないでしょう。
したがって、馬英九政権では、目立たないようにしているかもしれなませんが、その防衛体制は、国内、国外両方を含めて、可能な限りは着々と進んでいると想像できます。
馬英九第一期政権時代の統一重視の雰囲気が、クリントンによる米のアジア回帰の御蔭で、また微妙に変わって来たことは想像に難くありません。台湾防衛についてのアメリカの役割は、それが全部と言って良いくらい大きく、アメリカが頼りになるとなれば、台湾の姿勢も大きく変わることになります。
他方、その進展は一方的かつ不可逆的であるとも限りません。オバマ、バイデン、ドニロン、ケリーの政権が対中宥和策に転じる可能性はまだ排除できません。ただ、それも、長期的に見れば、オバマ政権第一期の最初の一年間のように、一時のジェスチャーだけに終わる可能性もあります。
台湾を取り巻く国際情勢は今後とも変転するでしょうが、台湾の軍は、論説も指摘しているような台湾防衛戦略を貫けば良く、それが、日本の国益にもかなうことです。
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