2024年2月25日(日)

教養としての中東情勢

2022年7月14日

イラン脅威論を利用

 こうした米側の意図を反映したと見られるのがバイデン氏の中東歴訪直前に行われたサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)の会見だ。補佐官はイランがロシアに対し、数百機の無人機を供与する準備を進めていることを明らかにし、これら無人機がイエメン内戦で、サウジ攻撃に使われたものだと指摘した。「イランの脅威を印象付ける狙いがあった」(専門家)ことは否定できないだろう。

 プーチン・ロシア大統領がイランの首都テヘランを19日に訪問し、ライシ・イラン大統領、エルドアン・トルコ大統領との3者会談を行うことも明らかになったが、バイデン大統領がサウジを反ロシア陣営に引き込む説得の材料とする可能性がある。米国はサウジなどペルシャ湾岸産油国がロシアの侵略を批判しないことに苛立ちを深めおり、イランとロシアの脅威論を利用しようというわけだ。

 だが、中東歴訪の水面下で心配されているのがバイデン大統領の健康問題だ。大統領は今年の11月で80歳になり、これまでの歴代大統領で最高齢だったレーガン氏の記録をとっくに超えた。米紙によると、夜中でも側近に電話するなど精力的な働きぶりだが、老いも目立つ。歩いてつまずくことが多くなり、公式の演説でもつかえる場面が増えた。

 ハリス副大統領のことを「ハリス大統領」と言及することもある。ホワイトハウスでは大統領の年齢問題は事実上タブーになっており、失点を避けるため記者会見は前任者らの半分以下の16回だけだ。バイデン氏は今回、イスラエルとヨルダン川西岸も訪問するが、過密スケジュールに健康への負担が心配されている。

   
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