世界保健機関(WHO)は、陽性率が5%以下であることを推奨している。図が分かりにくくなるので目盛りの最大値を40%にしたが、陽性率は最近では90%を超えている。すなわち、実際の感染者数が統計に現れる感染者数より多いことは間違いない。すると、致死率はさらに低い、0.1%以下であることはほぼ間違いない(インフルエンザの致死率が0.1%とされている)。
こう考えると、コロナはインフルエンザと同じような病気だから、同じような扱いにすべきだという考えが現われてくるのは当然だろう。しかし、コロナがそれほど危険な病気でなくなったのはワクチンの重症化予防効果に依るのかもしれないし、現実にはもっと多くの人が感染して、自然に重症化を予防する自然免疫を獲得したのかもしれない。
コロナには医療費の補助など、他にいくらでも使っている。なにしろ、コロナ対策で100兆円の予算を使ったのだ。例えば、薬は自分が助かるだけで、他人を助ける効果はない。安価なコロナワクチンを打たないで、重症化して高価な治療を受けるのは自費とした方が合理的かもしれない。外部性のあるものの予算削減は後にすべきだ。
厚労省のコロナ対策は大丈夫?
厚労省のコロナ関連データは、「厚労省 > 新型コロナウイルス感染症について > オープンデータ」にあるが、ワクチン接種回数は、デジタル庁「新型コロナワクチンの接種状況」にある。「接種状況」は、最初は厚労省のサイトにあったが、一時、官邸に移っていた。
筆者の考えるところでは、菅義偉内閣時に厚労省がワクチン接種に消極的だったので、厚労省よりも総務省を通じて自治体を動かし、大量接種をさせたことから、厚労省ではなく官邸にあったのだろう。その後、岸田文雄内閣になって官邸にあるのもいかがかとなって、デジタル庁に移管されたのだろう。データを統合的に管理していない厚労省が、各施策の効果を総合的に考えて対策を行っているのかちょっと心配になる。