2024年4月19日(金)

古希バックパッカー海外放浪記

2022年12月3日

バリ島の海外脱出ロシア人に激怒

 ウブドの食堂にポーランドの古都クラコウ近郊から2週間の休暇でバリ島にきた3組のカップルがいた。海外脱出ロシア人が何万人もバリ島に滞在していることに怒り爆発。そもそもロシア人がバリ島まで来ていることが信じられないと。ポーランド国民がどれだけ犠牲を払っているか思い知らせてやると息巻いた。

 ウクライナ国境近くの村の出身のポーランド女子はニュージーランド、豪州でワーキングホリデーして農場で3年働いた。貯めたお金でバリ島をバイクで周遊中。バリ島に逃げて来てのほほんと遊んでるロシア人を見るたびに腹が立つと鬱憤をぶちまけた。

 チヤングーで同宿したドイツのドレスデン出身でマインツ芸術系高校を卒業してギャップイヤー中の18歳女子は電気料金が2倍、3倍と天井知らずと。ガソリンもリッター2ユーロ60セントとドイツ経済の苦境を訴えた。その元凶のロシアから海外脱出してプーチンを野放しにしているとバリ島のロシア人を批判した。

 ちなみにギャップイヤーとは高校や大学を卒業してから、すぐ進学・就職せず1年間を旅行したり、インターンやボランティアなどをして視野を広げさまざまな体験を通じて将来の進路を決める欧米では一般的な習慣である。

 他方、休暇をとつてバリに来た3人組のスウェーデン女子。海外脱出ロシア人がバリ島にいること知らず、スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟にもあまり関心ないは様子。そもそもせっかく休暇をとって寒いスウェーデンから南国に来たんだから、楽しまなくちゃって雰囲気。こうした反応をするヨーロッパ人も少なくない。

18歳のドイツ人カップルの卓見

 2人はドイツ南部ババリア地方出身、高校卒業してギャップイヤー中。ウクライナ戦争でドイツでは電気・ガソリンが高騰。サステナブル・エネルギーだと太陽光発電に傾注して国中ソーラーパネルだらけにしたが冬場はほとんど稼働しない。しかも耐久年数も予想より短く大量の廃棄パネルの処理は環境不可が高いと。連立与党の緑の党も苦慮している。原発再稼働なども必要ではないか。それとも第二次世界大戦の時のように厚着してフトンを被る耐乏生活するしかないと。

 世界中にこうした厄災をもたらしたのはロシアである。バリ島に沢山のロシア人がいるのだから単に彼らを非難するのではなく、良い機会なのでロシア人と積極的に交流して相互理解を深めるべきだと強調。第三国という中立地帯だからこそ率直な意見交換ができる。そしてロシア人達にEU拡大は世界の安定につながることを理解させたいと熱弁。

 さらに極東の日本は欧州連合(EU)の拡大は、パワーバランスを崩すリスク要因と懸念してるか問われ、しばし考え込んでしまった。18歳の論客に圧倒された一夕だった。


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