2023年3月30日(木)

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2023年2月10日

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河本秀介 (かわもと・しゅうすけ)

弁護士

敬和綜合法律事務所所属。東京大学卒業後、三菱重工業での勤務経験を経て、2007年に弁護士登録。以後、会社関係訴訟、企業経営への助言、株主総会指導、M&Aアドバイスなど、コーポレート分野を中心に、幅広い内容の業務を遂行している。

 SNS上で、回転寿司チェーン店内の商品や備品にいたずらをする「回転寿司テロ」動画が相次いで投稿・拡散され問題となっている。一連の動画は、CNNなどの海外ネットワークでも取り上げられるなど、日本国外でも関心を引いているようだ。

(kuremo/gettyimages)

 「回転寿司テロ」動画には、ほかの客が注文した寿司を勝手に食べたり、ワサビらしきものを入れたりする様子が撮影されており、中には卓上の醤油さしや未使用の湯飲みを舐めて戻したり、レーンに流れてきた寿司に唾をつけるようなものもある。

 飲食店にとって衛生管理は特に重要な問題だ。飲食店は食品衛生法により衛生管理が厳しく求められており、衛生管理に問題があるとみなされた場合には行政処分の対象となる。当然ながら、汚染されたり異物が混入した疑いのある食品を提供することは法律でも禁止されており、唾液が付着したり異物が混入した可能性のある寿司や卓上調味料は廃棄しなければならない。

 また、消費者にとっても、飲食店の衛生管理は重大な関心事だ。衛生面でのイメージダウンは飲食店にとって死活問題になりかねない。

 店舗の中には、来店者の安心のため、レーン上に寿司を流すのを当面の間中止し、注文された商品だけを出すよう変更したものもあるようだ。消費者の安心を確保するためには、業界全体レベルでのサービスの再検討も必要になる可能性がある。

悪いのは行為をした人だけではない

 一連の「回転寿司テロ」行為は、それ自体、飲食店の商品や備品に対する器物損壊罪や、衛生管理その他の店の運営を妨害するものとして業務妨害罪等の対象となることが考えられる。民事の面でも不法行為に基づく損害賠償の対象となる可能性が高い。

 また、動画の多くは「テロ」行為を行っている姿を仲間が撮影してSNSに投稿するというパターンだが、テロ行為を撮影したりSNSに投稿した人物にも責任が及ぶ可能性がある。


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