2023年12月8日(金)

冷泉彰彦の「ニッポンよ、大志を抱け」

2023年3月21日

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冷泉彰彦 (れいぜい・あきひこ)

作家・ジャーナリスト

ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。近著に『「反米」日本の正体』(文春新書)など。メールマガジンJMM、Newsweek日本版公式ブログ連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

 名前に関してもそうだ。ヌートバー選手の場合は、ミドルネームに日本名の「達治」を入れているが、この「達治」がそのまま日本で通用している。「タツジ」とカタカナ表記されることはないのだ。

野球ファンから広がる新たな考え方

 さらに言えば、いい意味でアメリカナイズされているダルビッシュ有選手と大谷翔平選手の存在が、「ウチとソトの区別なんか格好悪い」というカルチャーを思い切り拡散しており、「一人ひとりが個人として輝くこと」の素晴らしさを、日本の野球ファンに徹底的に教えこんでいるということもあるだろう。そして、日本のファンの方々も、そうした受け止めの出来る世代が中心になってきたということもある。

 その意味で、今回のWBC日本チームにも、またそのファンの方々にも、これからの日本社会への希望を感じさせるのは事実だと思う。ヌートバー選手の存在は、その希望の象徴でもある。

   
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