2022年10月7日(金)

勝負の分かれ目

2022年9月16日

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 一体どこまで進化するのか。プロ野球(NPB)東京ヤクルトスワローズの村上宗隆内野手が注目を一身に浴びている。9月13日に本拠地・神宮球場で行われた巨人戦で54号ソロ、55号3ラン。1964年に歴代日本選手最多のシーズン55本塁打をマークした王貞治(巨人)の偉大な記録に並んだ。この日の1試合2発で今季12回目の複数本塁打となり、85年のランディ・バース(阪神タイガース)らの最高記録11回も抜き去った。

日本だけでなく、世界が注目しつつあるヤクルトスワローズの村上宗隆選手

「世界の王」も絶賛する活躍ぶり

 4回先頭で菅野智之投手から初球高め直球を完ぺきにとらえ、右翼スタンド上段へ叩き込んだ。これまで菅野には通算41打席の対戦で37打数8安打の打率2割1分6厘、ノーアーチに抑え込まれていた。

 巨人のエースから豪快弾をぶちかますと、5点ビハインドの9回二死一、二塁の第4打席で相手のルーキー守護神・大勢の投じた外角いっぱいの直球を今度は逆方向の左翼スタンド上段へ超特大アーチ。結局敗れはしたものの、5点をリードの大敗ムードを、自ら放ったメモリアル弾で一気に2点差にまで詰め寄り〝村神様〟の真骨頂を満天下に誇示した。

 「世界の王」と肩を並べたことに村上は「すごく光栄です」と述べ、その後は「本当にうれしいことなので。僕一人の力では達成できない記録だし、丈夫な体で生んでくれた両親に感謝して、支えてくれる周りの方々にしっかり感謝したい」と続けた。

 また「今季最も印象に残っている本塁打は何か」と少々気の早い質問を振られると「今年はまだ終わっていない。これからもっともっとホームランを自分の中でも打てると思う。終わった時に振り返って、このホームランよかったなというのは考えたい。とりあえず今はシーズンを完走して優勝できるように頑張りたい」と力強く言い切った。

 最大の目標であるチームのリーグ2連覇および日本一へ向けて全力を注ぐことを誓いつつ、元チームメートのウラディミール・バレンティンが2013年に放ったシーズン60発の日本記録を抜き去ることも当然のように視野に入れている。

 前日12日の横浜DeNAベイスターズ戦(横浜スタジアム)ではエドウィン・エスコバー投手の155キロ速球が右太腿外側を直撃。苦痛に顔をゆがめながらも一塁へ出塁したが、その後の守備には就かず途中交代していた。

 死球の影響が心配され「欠場するのではないか」ともささやかれたが、この日は神宮球場に笑顔でピースサインを浮かべながらグラウンドに姿を見せると試合前のフリー打撃から柵越えを連発。そして試合では問題なくスタメンに名を連ね、前日に死球を受けたことなど意にも介さず2本塁打を放って、あの偉大な王氏がプロ6年目の24歳で達成した記録に並んだのだから「恐るべき22歳」としか言いようがない。

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