2024年12月22日(日)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2013年7月16日

経済格差解消が最優先課題

 李国強首相が進める「都市化」は、未だ、沿岸部大都市付近の地域を対象としているように見えるが、中国国内の経済格差是正には、内陸部の発展が不可欠だろう。そして、経済格差を是正することが出来なければ、中国社会に更に不満が溜まり、不安定化する可能性がある。中国政府にとって、経済格差解消は最優先課題であると言える。

 いずれの国の政府も、国内政治と国外政治を同時に行っている。中国の対外政策も、単純に国際社会におけるパワーバランスによって決定される訳ではない。一見、かけ離れて見える「八〇后」に関する議論と「西進」戦略は、中国国内の経済的・意識的乖離を介して繋がっている。それでも、状況のほんの一部を説明するに過ぎない。表面化した事象には様々な背景が影響しているのだ。事象を正しく理解できなければ、正しい対処が導けるはずはない。理解のための努力に「十分」はない。

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